
駅のホームからイヤホンが落下するケースが増えています。
JR東日本のある調査では、今年7月から9月までの3か月の間にワイヤレスイヤホンが線路に落ちた事例が約950件に上りました。
昨年はJR西日本で、ワイヤレスイヤホンの拾得は8月で587件とも報告されてもいます。
ワイヤレスイヤホンの落し物は年々増加している傾向にあります。
では、実際に線路に落し物をしてしまった場合、どこに問い合わせれば良いのでしょうか?
そして、線路にイヤホンが落ちないようにする対策はどうしたらよいのでしょうか。
勝手に線路に降りて拾ったら罪になります。その賠償金についてもご紹介します。
駅のホームから線路に落し物をしてしまったときの問い合わせ先
駅のホームからワイヤレスイヤホンやスマートフォンなどを落としてしまったら、パニックになってしまいますよね。
でも、そこは落ち着いて近くにいる駅員に声をかけましょう。
「いつ、どこに、何を落としたか」を伝えてください。
駅員はホームに落ちた物を拾う専門の器具を持っています。
くれぐれも慌てて非常ボタンを押したり、自分で拾いに行ったりしないでください。
非常ボタンを押すのは人命にかかわるなどの緊急時です。
ホームには駅員を呼ぶためのインターホンが設置してあるところもあります。
冷静に周りをよく確認してみてくださいね。
無人駅で線路にイヤホンを落としてしまったら
無人駅の場合は駅舎に電話が設置してあり、そこから有人駅につながります。
無人駅で線路にイヤホンを落としてしまったら、電話をかけて指示を仰いでくださいね。
または、車掌がマジックハンドのような線路に落ちた物を拾う専用の器具を持っています。
電車が到着したら車掌に声をかけましょう。
落下物への捜索は電車を止めたり、終電後に捜索したりすることもあるというので、駅員の大変さがうかがえます。
駅員は、電車がこない手続きをしてから落し物を拾っています。
左右を見渡して電車が来ないからといって勝手な判断をするのはやめましょう。
ワイヤレスイヤホンを線路に落とさないための対策
そもそもワイヤレスイヤホンが落ちないようにするには、どうすれば良いのでしょうか。
ワイヤレスイヤホンを線路に落とさないための対策を考える前に、どんなときにイヤホンが外れてしまうのかを考えてみましょう。
- 走っているとき
- 歩いているとき
- 付け外しをするとき
ワイヤレスイヤホンが外れてしまうのは、大きく分けると上記3点です。
ランニングなどのスポーツに使用するには、スポーツに特化した商品を使うのが良いのは当然ですが、今回は線路に落ちてしまうイヤホンの問題です。
そもそもの問題である駅構内を走るのは危険です。
乗り遅れの危険の無いように、まず早めの行動をとりましょう。
歩いているときに外れやすいのは、きちんと装着していないか、耳の形にあっていないことが原因である可能性が高いです。
メーカーによって筐体の形は違うので、自分の耳に合った形を探してください。
ワイヤレスイヤホンを購入したら、先端のゴムの部分がSMLの3種類から自分の耳に合ったサイズに付け替えましょう。
機種によってはSSサイズもあります。
イヤーウィングが付いているものを選ぶのも落下防止の効果が高まります。
楕円形の筐体はノズルを下に向けて装着。
イヤーウィングがついているものは、ウィングを上向きに装着します。
イヤーフックが付いたものもおすすめです。
イヤホンを使うタイミングは人それぞれですが、無意識になっている行動はありませんか。
たとえば駅のホームで、電車が到着するタイミングで無意識にイヤホンを取り出している、といったことです。
電車に乗ったタイミングで、ホームに着いたタイミングで、スマホを取り出す人をよく見かけます。
おそらくみんな無意識でとっている行動だと思います。
線路に近いホームでイヤホンを取り出していたら、落とす可能性は高くなります。
今一度、行動の癖を見直してみてください。
勝手に線路内に侵入するのは罪? もし電車が止まってしまったらその賠償金は?
むやみに線路に降りる行為(侵入)は罪になります。
「鉄道営業法」では、線路にむやみに入る行為は禁止されています。
「停車場其の他鉄道地内に妄に立入りたる者(37条):科料」に当たります。
科料は1,000円以上10,000円未満を強制的に徴収する刑のことです。
罰金の10,000円以上というものより軽い罪ということになりますが、褒められた行為ではありません。
さらに、状況によっては電車の往来に危険を生じさせたとして「往来危険罪(125条):2年以上の懲役」に問われる可能性もありますので、軽率な判断が、重大な事故につながることを考えておいてくださいね。
まとめ
駅のホームからワイヤレスイヤホンを落とさないためには、まず自分の耳に合ったイヤホンを選ぶこと、そしてイヤホンの付け外しの行動を見直すことが大切です。
そして、勝手に線路に降りること(侵入すること)は法律で禁止されています。
物を落としたら、駅員に報告し適切に回収してもらいましょう。
しかし、線路は石が敷き詰められているのでワイヤレスイヤホンなど小さなものを取るのはとても大変です。
高額なのは理解できますが、鉄道は命の危険とも隣り合わせです。
形あるものはいつか壊れる、という言葉を聞いたことがあります。状況によっては「諦める」という選択肢も持ちましょう。